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ILH代表黒部のブログ

幼児英語 3

さて、具体的に幼児英語にどのように取り組んだらいいのだろうか。ちまたにはあらゆる種類の幼児英語教材が溢れているが、どれを買っても「うちの子供が英語を話せるようになった。」という話は聞かない。それどころか、どれを買っても1ヶ月で部屋の隅に押しやられたという話の方が多い。親というのは不思議なもので、英語教材の色が華やかで、イラストがかわいかったりすると、なんとなくこれで英語を覚えるようになるんじゃないかしらと?という錯覚に陥る。現に私も子育て中は、そんなカラフルな商品につれられてどれほど無駄使いをしただろうか。ところが子供たちの通っていた幼稚園では、そんなカラフルで素敵な教材など一つもなく、教室で目についたのは、簡単な遊び用具とたくさんの本だった。学習は本で始まり、本で終わるという人もいる。英語教材もしかりで、シンプルな英語本がなによりも効果的な教材となることを意識してほしい。
 お家でできる具体的で簡単な幼児英語学習方法は、なによりも『本」である。出産して間もないベイビーとテレビを見て時間を過ごすより、ママは本を開く習慣をつけることを勧める。もちろん生まれたてのベイビーに本など読めるはずは無いが、ママのゆったりと本と接する時間をベイビーはちゃんと感じることができる。ベイビーを抱いてショッピングに翻弄するのと、ゆっくりとお家で本を開くのと、どうちらが優雅な時間を捉えているのかは個人の判断だが、ベイビーとの読書時間ほど人生で優雅な時間はないと私は思っている。2歳ぐらいからは、簡単な英語の絵本がいいかもしれない。
それを何度も開いては、ママやパパがゆっくりと読んで聞かせる。発音はどは気にしなくていい。しばらくすると子供の口から英語が飛び出すはずである。3歳になったら、もう少しストリー性のある本を選択する。それとそれぞれの子供の興味も違ってくるので、できれば一緒に本屋で英語の本を選んでみるのもいいかもしれない。これも同じく、2〜3ヶ月かかって何度も何度も繰り返し繰り返し読み続ける。ストリー性のある本は、ママやパパの英会話にも効果があるの。幼児英語の基礎はお家での親子の取り組みがモノを言う。さて、ここまでをどのくらいのママやパパが実践できるか。まずはやってみることです!

幼児英語を考える(2)

前回、日本が英語後進国になってしまうということを心配していると話したが、現状に本は英語低開発国である。経済的視野での低開発国とは、資源があってもそれに見合った経済開発計画が伴わず、また計画があっても一過性のもので終わってしまうという悪循環で、外国から資金調達ができても、その経済的恩恵が国民にまで行き渡らない。日本の英語はまさにこれで、日本人というまじめで、優秀な資源があっても、英語教育の全国民的な上達計画がないため、OO委員会など、一部の機関が予算消化のために考えた、英語もどきの一過性プログラムを小学校から導入し始めた。ところが実際は1ヶ月に数回の「英語にふれる」「英語を楽しむ」だけのもので、これに外国人の人件費を含めて多大な経費がつぎ込まれている。。。。が、末端にいる児童が受けるべき成果はゼロに等しい。
 では、英語先進国のフィンランドなど北欧の国ではどのような英語教育が行われいるか。まずほとんどの国民が高校卒業時点で日常的な英会話ができるような英語教育を目標としているフィンランドでは、小学校3年から英語の授業がスタートする。週2〜3回で45分の授業である。楽しさを持たせながらも会話を重視している教育内容で、文法などは宿題とともに保護者の協力も必要となっている。テキストブックもかなり厚く内容が濃い。ただ英語教育目標Common European Framework of Reference for Languageがはっきりとしているので、何をどうして行くという大きなフレームのなかで確実な英語教育が行われる。中学、高校になると週4回、90分の授業、またコンピューターを使った補助学習も盛んに行われている。高校に上がる頃には日常会話はほとんど仕上がっている状態である。私が以前NYで出会った北欧からの留学生のほとんどがきれいな発音で英語を話していたが、これもしっかりとした柱のある北欧英語教育の成果である。(つづく)

幼児英語を考える。

あるママからこんな質問を受けた。ママ「1歳5ヶ月になる息子に英語をやらせようと思ってネットで英語教材を購入したんですけど。」私「で、どんな教材?」ママ「マシーンを押すとネイティブの発音が出てくるやつで、フォニックスは1歳ぐらいから始めた方がいいって聞いたんで。」私「誰が言ったの?」ママ「子育て雑誌に書いてあったので。」私「で、その機械はいくらしたの?」ママ「はい、5万円ほど」私「マジに!!」。また別の質問はこうだった。3歳児を持つママ「英語をやらせたいんですけど。どのくらいで話せるようになりますか?」私「本当に会話力を習得するには週3日ベースで1年かかると思います。」ママ「他の習い事のあるので週1がせいぜいです。」私「となると、本当に会話力を習得していくのは難しいかもしれません。英語に親しむのはできますが。」ママ「でも他の幼児英語学校に通っている友達はみんな週一で話せるんですけど。」私「どのくらい話せますか?」ママ「名前とか、歳とか。」私「そのくらいなら英語学校に行かなくても話せますよ。」 さて、本題に移る。日本の幼児英語教育はここ10年活発さを増している。街の英会話学校でもネイティブ講師、入会金無料などのキャッチフレーズで生徒集めが盛んに行われている。ランゲージ・ハウスでも英会話クラスを開催しているが、今年の始めから料金改定を行い、週1回のクラス料金の値上げを行った。ただし2回以上の受講は料金据え置きとした。理由は一人でも多くの子供たちが英語を話せるようになって欲しいということだ。日本の英語教育ほど開拓が進まない分野も世界的にめずらしい。日本から多くの視察団がフィンランドなどの英語教育先進国に、時には国費を使って出かけていっているが、こんなことを何十年も続けてこれといった成果がでないで終わっている。成果とは、どれくらい多くの子供たちに自由に英語を使える能力が育まれたかということである。本来国をあげて英語教育に取り組むべきところを、ああでもない、ここでもないとポイントのずれた話で何年も終わっている。たぶんこの状態はそう簡単には変わらない。なぜかというと島国日本にはいまだに英語を話せないとどうなるという危機感が存在しない。例えばであるが、今話題の尖閣諸島問題に、両国首脳同士が生の英語力で交渉することで、領土権を勝ち取るなんてことになって初めて英語教育への意識が高まるのが日本である。こんな悠長な現状につきあっていたら、子供たちが成長するころには、日本は恐ろしいほどに英語後進国になっていると本気で心配している。(つづく)

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