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ILH代表黒部のブログ

お月見と英語の本

お月見の季節、幼稚部でも月見団子を作って日本の美しい風習を外国人講師達と共有した。
外国ではアジアの国以外はお月見は行わないし、ましてやお月様とウサギの話などするとびっくりされる。それにおもちも存在しないから、ウサギが月で?をつく?What is that?ということになる。でもこの話の由来を説明すると、日本人の美意識と、想像力に感心する。
昨年、アメリカコロラド州から二人の女の子が10日ほどランゲージ・ハウスに泊まっていたとき、彼女達の日本での最大の目的は月を眺めながら日本酒をたしなむことだった。若い子達なのでまさか日本酒を飲ませてくださいとも言えなかったのだろう。自分たちで安酒を買い、チョコレートパンを酒の肴に、デッキにいすを持ち出し月を眺めていた。その顔はなんとも幸せそのもので、普通なら料理にしか使わないようなお酒でも、美味しいといってぐいぐいとやっていた。なんでもアメリカで月を眺めるのはキャンプの時ぐらいで、それが別に丸くても、三日月でも、月は月、人類が月面着陸していらい、月の表面はたいしてきれいでもないのがわかってしまったので、眺めていてもクレーターのイメージの方が強いのだそうだ。
さて、お月見になると子供たちに読んでやりたい本がある。Kitten’s First Full Moon by Kevin Henkens である。海外児童文学賞をとった英語の本で、挿絵は白黒だが、物語がシンプルで子供たちに解りやすい。ある晩三毛猫が空を見上げていたらミルクボールが空に浮かんでいた。美味しそうなので、下を出してなめてみたが、ミルクではなくて虫が口に飛び込んだ。三毛猫はその小さなボールが地上におりてこないかと待って、待って、待ち抜いたが、とうとう我慢できなくなって月めがけてジャンプした。ところが手応えなし。そこで自分でそのボールを捕まえようと、月をめざして野原を走り抜けていった。いくら走っても月との距離は狭まらない。そこで木に登ってみたがそれでも捕まえられない。と、木の下の行けに大きなミルク色の光、これだと思って池に飛び込みが結果は散々。あきらめて家に帰ると、キッチンには本物のミルクが用意されていた。ああ、やっぱりお家が一番。
この単純な話のなかで、子供たちが大人には理解できないようものを追いかけたり、探したりしていく様子を、三毛猫に見立ててストーリーが展開されているので、聞いている子供たちは、まるで自分と二重写しになったような気がするのかもしれない。英語も簡単な表現を使っているので、3〜4回読めば、子供たちは暗記してしまうかもしれない。
秋の夜長、子供に夜更かしは勧めないが、本はお勧めの一冊である。

東京オリンピックと英語教育

東京オリンピックの開催が決まり、日本中が沸き立っている。サーフィンに例えるならRide on!というところだろう。
このBig wave に乗って日本の英語教育も大きく変わって欲しいと思っている。先月横浜市長選のおり、林市長と会話を交わした。「市長、日本で一番英語教育水準の高い街横浜を目指してください。」「あら、小学校ではかなり改善が進んでいると思いますけど。」「市長、現場をご存じない。あれで子供たちが英語を話せるようになったら、私は逆立ちしながら横浜中を歩きます。」「では、あなたの案を持って来て下さい。」話はそこまでだったが、私は本気で市長に具体案を提出するつもりである。
1964年、東京でオリンピックが開かれたとき、私は小学生だった。ちょっとませていたので親戚のお姉さんからビートルズの歌を聞かされ、一体何を歌っているのか知りたい一心で英語に取り組んだ。小学校で英語を教えてなど全くなく、中学でI have a penというのが当時の英語事情だった。海外はあこがれの空の下、学生の間ではMade in U.S.Aがなんと言ってもブランドであった。商店の看板もほとんどが日本語で書かれている時代だったから、英語の看板を見るとワクワクした。ちなみに当時沖縄はアメリカであった。車は左側通行、看板はすべて英語の那覇の街は日本から一番近いアメリカだった。つまり、英語は自分をよその国に連れて行ってくれるツールみたいなもので、街に英語が溢れていないぶん、私たちは英語に対していつもにハングリーだった。英語を見つければ食らいついた時代である。
話を英語教育にもどす。現在小学校で行われている英語教育(とよべるとは思えないが)の現状を、少なくとも横浜市は改善し、7年先のオリンピックを目標に、英語教育改正を行うべきである。今10才の子は17才になる。立派にボランティアができる年齢である。英語のボランティアは、海外などで教育を受けた子弟たちの仕事とされていたが、このオリンピックを機会に国産を送り出すべきである。また、現在オリンピック強化選手と言われる子供たちも、選手村で外国選手と情報交換できるツールとしての英語をぜひ身につけて欲しい。
英語教育は民間の仕事とするには限度がある。また対象も限られてくる。国際都市と宣言する横浜は、行政が率先して英語教育を推進することをしなければならない。今はまだ箱の中が空っぽの国際都市横浜。オリンピックの波にうまく乗って欲しい。

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