• お問合せ
  • facebook
  • twitter
  • youtube
  • entry
ILH代表黒部のブログ

Child Abuse




 虐待のことを英語ではill-treatmentとも言う。新型コロナの終わりが見えない中、子育てにイライラを感じたり、些細なことで子供を怒鳴ってしまったり、時には手を上げてしまったりといった自己反省を聞くことがよくある。話すだけでも気が楽になったというのだが、家庭での夫婦の育児協力体制や、ストレスの抜き方、自己コントロールの方法などあらゆる方面から対策を考える必要がある。

私自身も子育て真っ最中の頃、長女10歳、次女8歳、長男6歳、次男4歳、三女3ヶ月といった黒部保育園?みたいな状況の中、平常な精神が保てず、必要以上に子供を叱ったり、子供達の前で不必要な夫婦喧嘩をしたり、泣いてみたりという経験があった。5人も子供がいるとこうなってもしょうがないと母に言ったら、「無責任に子供を産むからそうなるのよ」と言われた。アメリカでは子供への虐待に対する社会的責任は日本より重い。また一般の人々も子供を守るのは社会という意識が高い。

ある日ショッピングモールで次女がギャン泣きを始めどうにもならなくなった。私は次女の性格からなだめても聞かないと知っていたのでしばらくそのままほっておいた。ところが突然中年の婦人が現れ、「あなたが今この子にしている行為がわかっているの?」と聞かれた。答えるすきもなく「子供は泣いて親に何かを訴えているのだから、それを無視するのは虐待よ。」ときつく諭された。私も初めて他人から受けた注意でショックを受けた。2回目は家族でスキーに行った時、キャビンで長男が悪態をつき、御免なさいを言わなかったのでしばらく外に立っていなさいと5分ほどテラスに立たせておいた。30分ほどするとレインジャーが現れ、「今8歳ぐらいの男の子が外に出されていると通報があったがお前のところか。」と事情聴取にやってきた。私も主人もびっくりし、悪い子だったので罰則として外に立たせたと行ったら、それは児童虐待になるので注意するようにとのことだった。こんなことがあってアメリカでは社会全体が子供達を守っているという意識が私の中でも高まった。

幼児虐待は親の元だけではない。近年ネット上にも保育園など育児施設における幼児虐待が後を絶たない。その背景には保育士の不足、そこから起こる経験値の浅い保育士集団による組織の不成熟、経営者の組織監視への怠慢などが上げられる。残念なのは施設で幼児虐待が行われていても、保護者にはなかなか分かりにくい。特に精神的虐待は分かりにくい。私の息子も幼い時にADHDがありやれ行動が遅い、スローだ、頭が悪いと噂されることが多かった。私の選択はまずその施設から脱出すること、専門医に相談することと、適切な環境を選択しその子の可能性を伸ばすことをした。もちろん多くの方々のアドバイスや相談を受けてのことである。

まだまだ暑い日が続き、コロナも続き、子育ても続く、長い人生とはいっても毎日を悩まずにきたい。考えすぎず他人に相談し、また夫婦間の会話も少なくなっている時でも思い切って夫婦で子育てのより良いあり方をビールを飲みながらでも話し合うことである。ビールは憂さ晴らしに飲むと後味が悪いが、建設的な話の後の一杯は美味しいはずである。

 

PAGE TOPへ