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ILH代表黒部のブログ

NYC冬の子育て

ニューヨークの2月はヤバい。寒いではなく凍っている。アスファルトの下の地面からがんがん冷えが上がってきていて、歩いていても靴の底が凍った感じになる。ベビーカーをプラスチックの幌でおおい、中のベイビーは毛布やダウンでぐるぐる巻きになる。ママもちっとやそっとの防寒着ではだめなので、スキー手袋やスキーブーツで町を歩くの姿は当たり前、パパも帽子を深々と顔が見えないぐらいにかぶらないとほっぺたや鼻が寒さで痛くなる。そんな外の環境のせいか、屋内の子育てスペースはどこも満員。特にインドアプレイパークと言われる室内遊戯施設はムンムンした熱気がただよっている。マンハッタンのアッパーウエストにあるパークの一つは、ビルの二階を改造し、大きなエアーダクトを張り巡らして、子供たちがハイハイして通り抜けられるようにし、南の島をイメージした砂場や海賊船をかたどったジャングルジムなど、テーマパークの屋内版はおどろくほどよくできている。親たちが集えるカフェスペースはスイーツから軽いスナックまで、おしゃべりしながら飲み食いし、子供たちの遊びを眺められるという親にとってはほっとできる時間が持てる。私もある雪の舞い上がる日にこのスペースを利用したことがある。外はマイナスの気温でも屋内に楽しい子供達の声が充満していると、雪もオシャレなNYの町にふさわしいかのように感じてくる。日本では電車に乗り継いでいくとそれらしき施設があるにはあるが、気軽さはまったくない。そこに来ている人たちもお互いに我関せず。飲食も規則がありすぎておせんべいのかけら一つ落とせないこともある。寒い冬、せめて子育てはカジュアルに楽しく、また知らない同士がつながるような雰囲気が欲しい。それでなくとも日本人の冬の顔は無表情、桜が咲かないと笑顔になれないのかと思ってしまう。多分行政には望めないだろうから、意識のある民間企業が日本の子育てファミリーの冬を楽しくしてくれる、そんなスペースを率先して作ってくれたらと日本に戻ってきてからずっと思っている。

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