黒部さん家の教育回顧録
黒部さん家の教育回顧録
5月も明日で終わろうとしている、ので急いで5月のブログを書いている。
5月の初旬バンクーバーに行ってきた。以前我が家でホームステイしていたカナダ人留学生の結婚式に招待された。奥さんになった女性がたまたま主人の国連勤務時代の同僚の姪御さんで、我が家にもよく遊びに来ていた。アンソニーという中国系カナダ人の青年は、カナダの名門校ブリティッシュコロンビア大学から上智大学に留学生していた。経済学を学んでいたと思っていたら、歯科医の母親から医者になれと言われ、素直にアイルランドの医学部に入った。6年をアイルランドで学び、今年めでたく医者になった。それにしても母親に医者になれと言われ、その願いを果たしたというのだから、凄い息子もそうなら凄い母親である。なぜなら6年間にかかる教育費、海外での生活費など、考えただけで気が遠くなる。
結婚式はバンクーバーのダウンタウンから車で15分ほとのところにあるリッチモンドという中国人が多く住む地区で行われた。この地域は中国バブルの真っ最中である。走る車はベンツ、BMW、レキサスで、それも大型車ばかり。ガソリンコストは日本とほぼ同じなので、あの大きさを満タンにしようと思ったら大変な額になる。まして消費税は12%に近い。車だけではない。レストランはどこもいっぱい。話しによるとここの住人は外食が殆どで、どんなへっぽこなレストランでも客が入るという。ホテルの近くにあるショッピングモールには日本のダイソーが入っていた。ここも大変な賑わいで品物は日本より充実している。
結婚式には250人のどのゲストが招待されていた。殆どが中国系の人たちだったが、明らかにリッチ層とわかる身なりで、カナダ中国人社会の階級格差を垣間見た。ところでこの式の祝宴はノンアルだった。テーブルにはシャンペングラスが置かれていたが、配られたのはなんとアップルサイダー、私は甘いソフトドリンクが苦手なので、May I have a glass of wine?と聞くと
Oh, Madame, I don’t think we serve any wine this evening.と言われびっくり。But we have some tea if you like?と言いてきたのでthen do you have beer?と聞いたらwe do not serve any alcoholと返された。なので乾杯はアップルジュース、そして食事の前にはお祈りを捧げるというクリスチャン方式だった。ちょっと戸惑いはしたが結婚式とその宴に感謝をささげるとという内容は納得できた。
それにしてもここにいる中国人達の祖先は大変な思いをしてカナダに移住して来たわけだが、日本人移民の多いカナダでこのような街、つまり日本人タウンがないのは何故なのだろうかと考えた。ここの住人をみている限り同じ民族、少なくともアジア人同士が結ばれ家族を構成していく。それが何代にも渡って受け継がれいまに至っている。しかし日本人が一つの街を形成するような人口を外国で作って今に至っているというところが少ない。街はあるにしても小さいし、こんなにバブル景気はない。そんな疑問を地元の日本人に聞いてみたところで、日本人は泳ぐのが下手くそだという。例えば中国人は親戚を頼ってカナダに来ると本国にお金があっても、カナダでは仕事がないということで生活保護を申請するという。これを元手に不動産投資をしたりしている人たちもいるという。あきれるような話してだが、日本人に必要なのは、なりふり構わないアグレッシブさだという。海外で生きるためには侍の美学は通用しない。まずはどうしてここで成功するかを考えないとまっとうな暮らしはできないという。確かにニューヨークでも、サンフランシスコでも大きな中華街はあっても、それに匹敵するような日本人街はない。サンフランシスコの日本街は比較的大きいが中華街に比べるとひっそりとしている。なんとなく日本人はカッコをつけたがるのか、あるいは常に親方日の丸を意識しているのか。そんなことを考えてこのカナダ人留学生に意見を聞いてみた。いわく、First of all, you have good quality of food, safety street, on time train, and beautiful nature, so why you have to move to other country to go through all sort of hardship, というのである。また外国人にとって日々変化する東京の街がなんともおもしろいという。つまり、こんなに恵まれている街を離れてわざわざ苦労することもないだろうにという意見である。確かに言えているかもしれない、しかしこれは外国から来た人たちにとってはそうかもしれない。でも日本人にとって、とくに若者達がこの環境に甘んじると日本は昼行灯のような国になってしまわないかと不安を感じるのは私だけだろうか。日本人も海外でバブルタウンを作れるようでっかい考えてを持った大物が現れないかと期待をしているのだが
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