11月、食育について話しましょう。
ハローウイーンも終わり、次はThanks givingというのはアメリカのお話で、日本の11月はもっと多様性に富んでいる。
ワイン好きならボジョレーヌボーの季節、ゴルフ好きなら毎週ゴルフ三昧(私はゴルフはしない)旅行好きなら三連休を利用してのファミリー旅行と様々だが、今回は食欲の秋にちなんで食のお話。
最近日本の幼稚園、保育園では食育に熱心である。確かに食の本質を知り、健康的な食生活を作っていくことにつながる教育で、幼い頃に培われれば大人になっても食に関する意識が高くなると思う。、、、がしかしである。ある幼稚園で食育の時間を覗いてみたが、なんともたいくつでおもしろくなかった。あんな食育を教えられていては食そのものがつまらないものになってしまうのではと心配になった。食事はそもそも楽しく食べるとうことが前提だと思うから、これは栄養がどの、これは身体にいい悪いと考えながらでは食べた気がしない。だが、「はい、ではみなさん、今日のお夕飯の時にピーマンさんのグリーンと、トマトさんの赤が身体の中に入ると、どんな活躍をしてくれるか思い出してみてね。」と先生に言われれば、やはり食を味わう以前に、頭で食事をすることになってしまいそうである。
フランスやイタリアではどうしているかというと、食育などといういかめしい名前でのクラスはない。それよりも小さいときからの食習慣が物を言う。例えばイタリアのベビーフッドである。カルボナーラや、リゾットがめちゃめちゃ美味しい、といっても瓶に入ったベイビーフッドで、大人でも楽しめる味。フランスのアティーチョークとハムのクリーム仕立ても最高、デザートまであって、フラン(プリンのようなもの)に至っては大人用を上回っていることもある。反対にアメリカのベイビーフッドは一度食べたら人生で二度と味わいたくないほどにまずい。徹底的にまずい。また色もよくない。昔私の子供がトマトマカロニのベイビーフッドを見て、「これゲロゲロみたいだね。」と言っていたが、確かにである。日本も最近美味しいベイビーフッドが出回っているが、まだまだフランス、イタリアには二馬身ほど遅れている。
赤ちゃんの時から、美味しく、また品質の高いものを食べ続けて大人になった人と、まずくて品質の悪いものを食べ続けた人とでは、その人が家庭を持って子供を育てるときの食事に大きな違いが表れる。
日本は今コンビ二弁当や、お惣菜やのおかずが食卓に並ぶ割合が増えていると思う。両親共働きでは仕方ない部分もあるが、昔に比べ家庭での食育はおろそかになっている。マナーもしかりで、親がテーブルに肘をついて食べれば、子供もそうなる。親がテレビを見ながら食べていればそのようにもなる。親が携帯を見ながら食べればこれも正しいこととして習慣となってしまう。
食育にもどる。幼稚園が子供たちに食の知識を与えることはいいことである。がしかし、それ以前に食事は楽しいく人と会話をしながら、一定のマナーに従っていただくことを教えることも大切である。食とは、五感で食べるとは小説家でグルメの池上氏が言っていたが、頭ではけして食べない。
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