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ILH代表黒部のブログ

黒部さん家の教育事情  2014/10/01

Peace and sharing, sharing and peace, これですべてが解決したら戦争など起こらない。たしかに分かち合いの心は平和につながるが、これで子供達の問題もすべてOKでは先生の手抜きというものだ。国連学校(UNIS) は国連関係や各国の外務省関係の子弟が多く来ているので、学校の理念としてのPeace and sharingがあるが、当時校長だったインド人女性が父母会でこれを言い始めると
インド瞑想の会に出席したような気持ちになった。
「Reading力が他校に比べて低いとの意見がありますが、担当教師はどのような指針で対応してますか。」
「 Peace and sharing, 勉強もお互いに分かち合えばかならず上達していきます。」
「 はあ?」てな具合である。アメリカの学校の父母会は夜7時頃から行われるのが常だったので、空腹もともなって、時には校長に嫌悪感を抱くことさえあった。つまり具体的に自分の学校の生徒をどうしたいなんてことは考えていないのである。
 あるとき友人と話しているとき私の心は動いた。
「 どうせ通わせるのなら一番の学校を選びなさい。」
私たちはアメリカの学校の授業料の高さを愚痴っていた。私立だと年間300万はくだらない、およそ普通に共稼ぎをしていても払いきれないような現実がある。黒部家は幸い5人という子供の数で、Needs base,つまり必要に迫られた学費補助ということで多少の奨学金が支給されていた。また国連がすべての職員の子弟に教育費の75%を援助してくれるプログラムがあった。今考えるとこの援助なしにはとても5人の子供達を私立学校に通わせる事はできなかった。この恩恵に甘んじていることもあって、とりあえすニューヨークで子供を私立学校に通わせられることに感謝していたが、すべての学費を自費でしはらっている友人の言葉には説得力がある。
「 あなたね、考えてもみてよ。校長以下子供をどうしたいなんて気持ちもなく、きれいごとばかり並べて、なんとなく親の喜ぶようなイベントばっかりやっている学校なんてろくなもんじゃないわ。」
なんだか国連学校のことを言われているような気がする。
「 まずはReadingにどれくらいの時間を裂いているか、算数を教える教師の技術はどれくらいか、見学に行ったときに教師と生徒が向き合っている姿がどれくらいあるか、クラスの中で大勢の子供が手を上げ”Why?と質問しているか。それに教師は丁寧に対応しているか。そしてWe love this schoolという雰囲気が全体にあるかを確認することね。学校探しは家探しより難しいわよ。」
ふーん、とうなってしまった。友人は続けた。
「 簡単選択はニューヨークでベストスクールと言われる学校を選ぶ事ね。」
と簡単に言われても当時私立学校情報に乏しかった私には学校の名前さえ浮かばなかった。友人がリストを作ってくれた。
男の子ならUpper westにあるCollegiate school, 女の子ならUpper EastにあるBrearley school, アイビーリーへの進学校ならBronxにあるHoraceman
school、そしてニューヨーク生粋の商売人の子弟が多い男子校ならBrowning schoolがそれだった。
で、あるなら、このベストと言われる学校にそれぞれの子供達を入れるという
知らぬが仏の無謀なプロジェクトが、ほぼ私の独断で始動し始めた。5番目の娘はまだ2歳だったので、このプロジェクトからは除外されたのだが。

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