ランゲージ・ハウスから巣立った留学生たち
先月から、以前ランゲージ・ハウスにホームステイしてた留学生たちが、それぞれの仕事で活躍し来日している。中には将来この子はどうなるのかと心配させた学生もいたが、皆大きく成長し頼もしい限りだ。
NYCから帰国した時の悩みの一つが、いかに三女の英語を伸ばしていくかだった。当時3歳だった三女は近所の幼稚園に入った。ところが一ヶ月もすると英語などはまったく知らぬ存ぜぬとなり、他の兄姉たちが英語で話しかけても日本語で答えるくらい日本語環境に順応していた。そんな夏、NYに里帰りし、アメリカの幼稚園の友達と話すと、ちゃんと英語で答えている。そんな三女を見ていて「なんとかせねば。」と思うことしきりであった。インターナショナル幼稚園に通わせるのがベストとは思いつつ、すでに他の兄姉がインターナショナルスクールに通っていて家庭の経済は逼迫していた。かといって週に一度英語塾に通わせたところで成果が得られないのは目に見えている。
そこで考えたのがホストファミリーだった。母校である上智大学に留学生課というのがあり、話を聞きに行った。色々説明してくれたが私はすでに自分勝手に決断していたので、その日のうちに書類にサインしてホストファミリーとなった。
最初の学生は旧東ドイツから来たカティアという学生だった。バイアスロンのオリンピック強化選手だったと聞いていたので、さぞかしいかついゲルマンの女性かと思っていたら、ハイジの物語に出てくるような可憐な女の子だった。
学校の方針で、留学生には日本人学生のボランティアが同行するので、駅まで迎えに行かなくてもいいという。ランゲージ・ハウスは丘の上にあるので、どうやって荷物を運ぶのかと思案していたら、真っ赤な顔をしながら重い荷物を二つも押してきた。ボランティアの学生いわく、普通は別便で学校からおくるのだが、本人がその料金を節約したいというので、二人で頑張って妙蓮寺駅から歩いてきたというのであった。カティアは別の面でもドイツ人の節約根性を教えてくれた。例えば硬くなったパンを水洗いしトーストして食べるとか、チーズを保存するときのラッピングはできるだけ空気を抜く、ポテトの皮でカウンターを掃除するとかは私の子供たちにも良い影響を与えていた。ただ問題は根っからの真面目少女だったので、留学生全員が通過しなくてはならない日本語レベルのプレイス面とテストで不本意な点数をとったことで落ち込み、その後週末はどこも行かずに部屋に綴込みって日本語の勉強をするという、ホストファミリーにとっては心配の種となった。(つづく)
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