夏になってしまった
夏になってしまった。5月にVOICEを投稿してから3ヶ月もたってしまった。
書くことが本職ならとっくにクビになっている。幼稚園のブログということを理由に「きっと保護者も私が忙しいのをわかってくれている」なんてことを思わないのだが、心の何処かに甘えがあるから、ダラシないことになってしまう。
では一体6月7月と何をしていたかを聞いてもらうのも何かの役に立つかもしれないと勝手な「言い訳」の前置きをして書くことにする。
4月末にインドの南、チェンナイという街に行った。結婚式である。以前ランゲージ・ハウスに留学生として来ていたアンジョリという娘の友達だ。インドの結婚式は初めてだったが、後にも先にも招待客1400人という超大型の式で、延々3日間に渡ってイベントが繰り広げられる。私もサリーに負けられないと着物持参で出席したが、出席者の半分以上を占める女性たちが纏う絢爛豪華なサリーの中で1人の日本人が着る着物は存在感がない。それでも頑張って外気温40度のインドで二日間を着物で通した。私の他にもフィンランド、ドイツ、ネパール、イギリスから来た若者たちは共に日本で高校時代を過ごした経験がある。皆10年ぶりの再会であったが、話題は日本で過ごした楽しく充実した時間、全員が人生一生の思い出というほどに日本での留学体験は貴重だったと話す。インドでは朝昼晩と3食カレーものノーチョイスである。まして南インドはバリバリの菜食主義者が住む街なので、NO MEAT, NO BEERは当たり前。
結婚式は出席者が多いこともあって会場に隣接した食堂にミールの合図と共に入り、着席すると待っていましたとばかりに7〜8人の給仕係がわっと寄って来てバケツの容器から大型おたまのようなもので配膳して行く。飲み物は水だけ。3日間続いた式の最中一日ゲスト一人当たり4本のペットボトルを消費するとして3日間だと16800本のペットボトルが消費されたことになる!
結婚式の内容を書くと100ページぐらいになりそうなので割愛するが、圧巻は1400人のゲストが最終日にプレゼントを持ってやってくる。それを壇上で新郎新婦とその両親が待ち受けゲストにご挨拶をする。これに3時間ほどを要し最後は誰が終了の挨拶をするでもなく3日間にわたるイベントが終わる、と思ったら今度は新婚夫婦が伝統儀式に従って新生活のゲームのようなことを始める。ヤシの実を取ったかとらないか、甘いお菓子のクリームを顔に塗り合うとかのたわいない遊びだが11種類をこなして行くと2時間ほどかかる。ゲストも疲れるが、新郎新婦とその家族は不眠不休状態で結婚式を進めて行く。インドでは離婚率が低いのも、これだけの体力、時間、お金、人を総動員しているのだから簡単には夫婦をやめるわけにはいかないのも事実のようである。新郎新婦は2ヶ月後にアメリカへと旅立った。これだけ超盛大な結婚式をしても国には残らずアメリカに行ってしまう。インドの富裕層は子弟のほとんどを高校か大学でアメリカかイギリスへ留学させる。卒業後インドの給与では留学費用は取り戻せないとばかりにアメリカの企業に就職する。しかしインドで感じていたような家族の絆や深い友人関係などの幸せ感をアメリカで感じるのは難しい。
アメリカに留学し、アメリカの企業で働く、この価値観が根本的に変わる日が来るかもしれない。
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