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ILH代表黒部のブログ

ニューヨーク、コロナ禍のプロテクション

ニューヨークに住む2人の娘が悲鳴をあげた。コロナ禍で保育園が閉鎖し、ベビシッターは恐ろしくて家に入れることができない。仕事は全て家なので生後8ヶ月の赤ん坊がいては立ったり座ったり集中できない。さらに長女は次男を妊娠中でHuge! Berryという英語が適切な表現が適切なほど、これ以上大きくはならないほどに膨れているという。ここは親が助けてあげるしかないと一大決心をした。しかしニューヨークのコロナ感染状況は全く芳しくなく、飛行機の機内も感染率の高い場所となっている。領事館のウエッブページには、ニューヨークでの入国審査に関して、日本でPCR検査を受け証明書を持参し、税関で受諾されたら自主隔離が4日になるとあった。そうこう溢れる情報に翻弄されていたらニューヨークから日本人の友がやってきた。話によると羽田でPCR検査を受け90分後陰性判定をもらい、後は全く何も聞かれないまま入国したという。ニューヨークはどうか?との質問に日本人には寛容じゃないかという。検査を受けたければ町中に検査所があって旅行者であっても無料で検査が受けられるという。ただし3時間以上は並ぶ。こんな話を聞いていたら考えすぎより行動あるのみかという気持ちになってきた。娘たちには高校生の時からほぼ独り立ちのような環境でのアメリカ生活。それで鍛えた強さのようなものがあって、あまり親を頼るということはないのだが、今回のコロナ禍は例外のようであった。
とは言え私も仕事がある。しかしこれもコロナで仕事をこなす方法が変わってきた。半分近くの社員は自宅で仕事をしている。では私も若い連中を見習ってニューヨークからリモートで仕事をすればいいと決心した。同時に今ニューヨークの街がどうなっているかも知りたかった。ニューヨークは東京以上に人でできている街である。そこから人が消えたら機能しないと言ってもいい。今までもこの街は何度もどん底に落とされている。1927年の大恐慌以来株の暴落は何度も経験したが、その度に強くなって這い上がってきた。しかし今回は状況が違う。株の暴落は街に失業者も溢れるが、新しいビジネスも生まれる、街には人が溢れビジネスチャンスをつかむのに必死で働く。ところがコロナは人々が街に出るのを許さない。これが決定的な違いである。実際にニューヨークの街を歩いているとサンクスギビングからクリスマスまでの大ショッピングシーズンに人の波がない。パパ&ママストアーと言われる個人商店も閉店のサインがそこここにみられる。増えた人といえば町中で見られるホームレス、それも仕事のない若者たちの姿である。今回のコロナでパソコンを使いこなせるグループとそうではない対面で仕事をする労働者のグループとの明暗である。
特にレストランビジネスとエンターテイメントビジネスへの打撃は大きく、ニューヨーク名物のブロードウェイミュージカルは2021年9月まで動かない。
ところでニューヨークは今年の始めに世界で最もコロナ感染者の多い街として有名になった。そのせいか町中には安全を守るためのメッセージがあらゆるところに見られる。地下鉄やバスなどの公共機関ではマスクキャラのデジタルポスターがわかりやすく、また子供達にも馴染みやすく数カ国語で登場する。スマイルマークのような顔にマスクをつけていて、マスクのダメなかけ方や、代用品のかけ方、また子供がマスクをかけたがらない時の対応など、見ていても楽しいメッセージが飛び出す。どの店舗にもソーシャルディスタンスのマークが色とりどりのスティッカーで貼られていて、コロナ禍でも楽しく安全確保をしましょうという姿勢が見られるところは日本と違う。今日もブルックリンに向かう地下鉄で隣に座っていた黒人女性のマスクはかなり激しい光のフェイクダイヤモンドで散りばめられていた。おまけに髪はドブロンドでつけまつげは3センチ以上の迫力。これをヒョウ柄のジャケットとヒョウ柄のパンツ、靴もヒョウ柄で決めて私はコロナを寄せ付けませんというメッセージを感じた。
ニューヨークの公立小学校は今日12月7日からやっと再開した。現地で日本人親子数名と話す機会があった。ママたちによると、日本人の子供達にはオンラインクラスについていくのが困難だったり、親が英語で説明される英語での設定方法がわからなかったりとコロナ禍での海外生活の難しさを実感したという。
現在公園やミュージアムは開いているが、事前予約を取ったり、公園での子供達同士の接触に神経を使ったりと日常は簡単ではないと理解した。ただ子供達は公共衛生のロゴや街のあらゆるところに貼ってあるディスタンスマークなどを良く理解していて、コロナと共存している強さも垣間見た。
イギリスでは8日からワクチン接種が開始されるという。アメリカでも今月中には開始のニュースが流れると期待されている。しかし一方でニューヨークに住む人々は1月が正念場だともいう。今年3月に起きたニューヨークでの大規模感染の教訓から、人々はワクチンよりも自分や家族をいかに守るかに日々奮闘している。

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