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ILH代表黒部のブログ

5月に考える夏休み

日本の社会は4月1日をもって学校や会社が新しい年のスタートをきる。
連休が終わり気持ち新たに5月をスタートする人たちもたくさんいると思う。
所変わるとこの5月は卒業式のシーズンとなり、特に教育機関では年度の終わりとなる。私の子供達がニューヨークの学校に通っていた頃、5月に入るといきなり夏休みモードになる。ママたちの間では夏にどうするああするといったバケーション計画で話が盛り上がり、同時に3ヶ月もの間子供達をどこのサマーキャンプに入れるかでまた話が盛り上がる。下手をすると4ヶ月以上という恐ろしく長い夏休みをどう過ごすかはファミリーにとって重大な問題である。夫婦共稼ぎがほとんどなので4か月もの間子供が家にいてもらっては困るというのが正直な気持ちなのだ。ところがこのサマーキャンプもコロナによって変化を余儀なくされている。日本も夏休みになると田舎のおばあちゃんの家にお世話になるというパターンがコロナになってからは「お願いだから来ないでちょうだい」という状況、これは海外も同じで特にヨーロッパ諸国におばあちゃんおじいちゃんがいる家族にとっては大きな痛手である。かといってアメリカの田舎にあるキャンプに入れるかというと、そこで働くスタッフの衛生管理に不安をいだく保護者も多く、これも積極的に参加に踏み切れない。まして街中でやっているデイキャンプはほとんど完全クローズの状態である。アメリカの公立学校はやっと再開したばかり、アフタースクールプログラムまでは手が回らない。そこへ行くと日本の夏休みは1ヶ月少々、学童など民間での夏休みお助けプログラムもニューヨークの三分の一ほどの料金で参加でき、地域でも自治会等が夏休みの間にいくつかのイベントを企画してくれる。しかし別の側面から考えると、長い夏を友達との共同生活で培われるものは多い。自分の家ではわがままやり放題の生活を直すよい機械にもなる。私も子供達をサマーキャンプに送った。料金が安いので食事や寝室はかなり粗悪だったようだが、贅沢なホテルで過ごすより子供達が得るものは大きい。時には子供達に目的地の地図だけ持たせ、携帯末端なしにそこにたどり着かせるというゲームも行う。子供達は最初不安で青ざめるが、目的を達成した時の喜びは大きい。
今の学校教育は与えられることが多いが、自分で考え解決策を見出すというプログラムが少ないと感じる。またコロナによって他人との接触が希薄になり共同作業とか共同生活ができない子供達が多くなった。これは大変な問題で将来の仕事にも大きく影響する。なぜならどんな仕事も自分1人で完結できるものがないからである。日本の短い夏休みでどれだけ子供達にアドべンチャーの機会を与えられるかはわからないが、夏休みのあり方を真剣に考える保護者が1人でも増えてくれることを望む。

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