なぜインドか?
この10月1日(土)にランゲージハウス恒例のインドイベントを開催します。で、いつもクラスでは時間がなくて説明できない「なぜインド?」についてお話します。そうです、別に、インドじゃなくてもいいじゃないですか、黒部先生はインドにかぶれているんじゃないですか?という声、とりあえずは聞いていませんが、そのうちクラスでインドダンスばかりやっていると聞かれそうなので、今のうちにお答えしますね。私がインドで、またインドの文化から得るものはそこしれないパワーです。
数年前、初めてインドに行ったとき、デリーの駅で人々を見ていたときに思ったこと「日本はこの国に負ける。」という意識でした。もちろん現実には、インドは貧富の差が激しすぎるので日本の平均的生活水準に到達するには何十年もかかります。でも将来を長いスパンでとらえたとき、インドという国とそこで生活する人々の未来への可能性は日本や日本人よりはるかに高いのです。未来への可能性、これは私たちが日々の生活の中でどれだけポジティブに未来を描けるかということです。どれだけ自分の将来にあこがれをもって前進できるかということです。もっと簡単にいうと、どれくらい物事を単純明快に処理できるかということでしょうか。
私がワンコインのクラスで紹介するボリウッドダンスもそのポジティブマインドの一つです。インド映画に描かれている世界は現実からの逃避ですが、見た後に必ず人を元気にする何かがあります。口語的にいうと「大変なのはみんな一緒、けど大丈夫、大丈夫、なんとかなるから。」を本当に信じたくなるようなセリフやシーンがたくさんあります。そしてハッピーエンディング、要は単純明快な映画です。昔のアメリカ映画がそうでした。でも最近はアメリカ自身がネガティブマインドになっているので映画もアクションとかゲイ物語ばかりで後味が悪い、考えさせられすぎて自分とは遠い世界になってしまいます。それじゃなくも現実の世界で考えなくてはならにことがたくさんあるのにです。インド人が打たれ強いのは単純に今だけを考えてやる過ごせるからかもしれません。
今年日本は本当に打たれまくられています。災害だけでなく、政治も経済もです。そんなとき、私たち一人ひとりがインド人のように単純明快に今を受け止めて、ちょっとだけ打たれ強くなれことでポジティブマインドになれるのではないかと思うのです。滑稽でユニークなインドダンスを踊っているとほとんどのことは大丈夫と思えてくるのです。だって実際にインドで映画を見に来る人たちは大部分がカーストの下に属する身分の低い、将来を決められている人たちにも関わらず、明日を思う気持ちがとっても強いんです。そんな人たちがダンスシーンを見て「よしよし、大丈夫、大丈夫」と言えるのなら、彼らよりはずっと贅沢な暮らしをしている私たちが明日をポジティブに思えずにどう未来を描けるのでしょうか。
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