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ILH代表黒部のブログ

もし私が政治家なら

 参議院選挙が始まった。SNS, ラジオ、テレビ、街頭演説などなど、一日中候補者の演説で街
は賑やかになっているが、よく聞いていると、どの候補者も前回の選挙と話す内容は大して変
わってはいない。相変わらず他党や候補の批判や中傷が中心になっている演説が多い。中傷や
批判は時には必要だが、それを語るには自分がその代わりにできることをより明確に話してほ
しいし、人の公約をどうのという時には自分のプリンシパルをしっかり説明してほしい。限ら
れた時間で自分の政策や目標をわかりやすく有権者に理解してもらうのは中々難しいが、政治
家として大きな一本の柱があれば、有権者は話を聞こうとしてくれる。それにしても、今回の
選挙では社会保険料の削減が多く取り上げられているが、このままではダメだとは政治家でな
くてもわかっているので、具体的にどうしたら改善できるのかを、総論で考え、将来を見据え
た具体的な話を聞きたい。社会保険は複数の機関の思惑が絡んでいるのだから、そんなに簡単
に保険料の削減はできない。それよりも日本人を病気にさせないことを考えた方がある意味で
は削減になる。日本人は真面目に検診を受ける国として世界でも有名である。そのデーターを
利用して疾病管理システムやプログラムを作り、国の医療費を下げることを考え、日本人を薬
漬けから脱却させることで、健康な人間を蓄えることができれば、社会保健のありかたも変わ
ってくると考える。日本の今というよりは、今幼稚園や保育園に通っている子供達が成人した
時の世の中が、より住みよくなることを前提に医療費、保健のことは考えるべきなのではない
だろうか。ダメだダメ、改革改革という口約束ばかりでは、きっと10年経ってもこの問題は
解決しない。
消費税の廃止を訴えている候補も多い。そこで私は聞きたい。「国のお金はどこから持ってく
るんですか?」と。消費税減税ならまだしも、廃止を唱えている候補の方々は、以前ヨーロッ
パを中心とした諸外国で減税が行われたのを知っているだろうか。コロナの少し前からコロナ
期にかけて、ドイツでは6ヶ月を限定とし19%から16%に減税、イギリスでも17.5%から15%
に、フランスでは飲食を中心とした減税が19.6%から15.5%に現在された。どれも期限付きで
ある程度の効果はあったようだが、一方でハンガリー、デンマーク、スエーデンなどでは、国
家財源の長期的展望に立ち20%台の消費税はそのままにされている。確かに消費税減税は一定
の期間なら家計や企業へのメリットはあり、一見消費者寄りの政策には見えるが、商機的な視
野に立って国の将来を考えると、簡単に消費税減税、ましてや廃止などは言えないのではない
かと考える。なぜなら国のお金がなくなって真っ先に影響を受けるのが教育や医療だからであ
る。
私が政治家だったら、教育への国家財源、特にこれから日本を立ち直らせ、自信を持って自分
の国を守れる意識と語学力を育んでいくには、教える側への配慮も必要だと考える。世界中で
教師が不足している。給料が安いからだ。教師も生活がかかっているのでパッションだけでは
仕事はできない。ITエンジニアが稼ぐ半分にも届かないところもある。こうなると生徒たちに
は「将来エンジニアになるために頑張りましょう!」とは心から言えない。国は本気で教育者

を育てることに取り組まないと、日本の将来はますます怪しい。世界を見ると小学校の教師で
給料が高いのがルクセンブルグで日本円に換算すると1500万円ぐらい、ついでドイツが1300万
、オランダが1100万となる。残念ながら日本の給与はOECD加盟国の平均を下回っていて、平
均賃金は500万円を下回っている。ちなみに日本の保育士さんの賃金、例えばオーストラリア
は日本の1.5倍、近年ワーホリでオーストラリアを希望する保育士さんが増えているのもその影
響があるかもしれない。
再び、街頭演説に戻る。まず各候補にしていただきたいのは、他の候補や政党のことはどうで
もいいので、自分の信じる道、自身の持てる公約を論理的に説明してほしい。公約というのは
実現するまで時間がかかるのが常なので、将来を見据えた長期的展望に立って、またそれを実
行できる根拠とそれを支える財政基盤をあげてほしい。失敗はつきものなので、もしそうなっ
ても「ごめんなさい」が言えること。学校では子供達に常日頃教えている大切な一般常識であ
るが、大人になると忘れてしまう人たちがるのが気になる。
日本の経済が停滞しているのは世界でも有名になってしまった。しかし経済成長も大切だが、
日本人としてのメンタリティーの成長が停滞しているのも事実である。私がランゲージ・ハウ
スの教育で大切だと考えるのはこの部分で、自分に自信を持つには、あらゆることに挑戦し、
体験し、失敗し、成功する。これは巷にあるサクセスストーリーの本からは学べない。今0歳
の赤ちゃんが20歳になった時の日本を考えながら政治をしていく、そんな政治家がほしい。
もし国が、「政治家さん、実は国家予算が足りなくなり、明日から給料が払えなくなりますが
、大丈夫でしょうか?」となった時、さて何人の政治家が満面笑みで
自分のあげた公約を実践していくだろうか。誰かが政治家は奉仕事業だといっていたような気
がする。

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