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ILH代表黒部のブログ

アメリカの若者難民

今ニューヨークのような大都市では、他の中規模都市や物価の安い海外へ脱出する若者が増え
ている。原因はほぼ全ての物価の上昇である。日本は低賃金で騒いでいるが、それでもまだコ
ンビニでの買い物はできる。ところがニューヨークでは一番安いサンドイッチが8ドルぐらい
する。日本円で¥1280円である。コーヒーも地元の人たちが利用するデリ(アメリカのコ
ンビニみたいな店)で¥800もする。
日本のドトールコーヒーのSサイズが¥250円だとすると約3倍の値段である。
例えば朝食にニューヨーク名物のベーグルにクリームチーズを挟んでもらい、カフェラテを注
文すると普通でも20ドル、なんと¥3200の朝食になってしまう。ランチには野菜サラダ
ボールやチキンサラダといった健康的なメニューを選ぶ人が多い。しかしどんなに安くても
15ドルは下らないから¥2400のランチとなる。これがレストランに入ってしまうとチッ
プを入れてパスタなら最低でも30ドルは取られる。おひとり様¥4800のランチ!これが
素晴らしく美味しいのならまだしも、味は10ドルぐらいと思うことが多い。
 昨年ロサンゼルスに行ったとき、大谷翔平が出るというのでエンジェルスの試合を見に行っ
た。野球観戦につきものはビールであるが、一杯¥1200、ホットドックが¥3000ぐら
いだったと記憶している。
 高いのは食べ物ばかりではなくホテルや民宿もど高い。ニューヨーク州はホテル協会の反
発でAirB&Bという一般の人が自分の家やアポートを旅行者に貸し出すシステムが廃止となった
。31日以上の宿泊であれば許可されるのだが、7泊しただけで2000ドルは下らない。つまり   ¥320000の宿泊費は英語で言うSuper Crazy!!である。
これには清掃代、タックスなどが付いているが、未だ一泊¥10000で泊まれる、清潔でサ
ービスの良い日本のホテルがどれほど外国人に喜ばれているかは言うまでもない。
 アメリカの金利政策は経済を後押ししているが、この動きに取り残されている人たちは多い
。例えば学校の教師も生活は苦しい。アーティストやダンサー、ファーストフッドで働くチッ
プ収入のない店員、小売店で働くパートタイムの人たちは健康保険を持たずに働いているケー
スが多い。アパートも一部屋を2人でシェアーしたり、エレベーターの無いタウンハウスの最
上階に住んでいる高齢者もいる。ニューヨークの生活は活気があって楽しい反面、お金がない
とどうにもならないという現実が、普通の若者が住めない街になってしまった。ホームレスさ
えキャッシュレスの時代、冬の厳しいニューヨークでは飢え死にするだけなので、カリフォル
ニアに難民の如く移動しているという。
 日本も近年格差社会が目に見える形で始まっている。それでもおにぎりが¥200で買え、
コーヒーもコンビニなら¥110で美味しい。国民皆保険はあるし、年金は少額になっても制
度としては健在している。アメリカでは所得層によって行けるデパートも限られるが、日本は
行きたいデパートに行ける。以前にも書いたが、日本は大きなことをやらかそうとか、欧米と
同じように経済発展をしようとかを選択せず、身の丈にあった国民の幸せを追求するために、
日本独自の発展方法があるはずだという選択をしてほしい。ニューヨークの街がこれからどう
なるかはわからないが、若者が街からいなくなる、そしてお金持ちだけが街に残る、このアン

バランスが引き起こす弊害は想像以上に大きいと感じているのはニューヨークの街を心から愛
する地元住民に他ならない。

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