• お問合せ
  • facebook
  • twitter
  • youtube
  • entry
ILH代表黒部のブログ

人材力の育成は2歳児から

 先日私の子供No5から、9回目の面接でやっと転職が決まったと連絡があった。彼女はこの1年間転職先を探していて、ネット検索に釘付けになりながら面接を受け続けていたが、最終までたどり着くことが難しく、半ば諦めの気持ちでいたところ、突然昔出会った人の紹介のまた紹介という企業から声がかかり、とにかく面接を受けてみた。三女曰く、今の就職合戦は1にも2にも人脈だという。ただMeet upのような複合交流会での人脈ではなく、ある人から次の人、次の人から未知の人というように、人脈作りのサーフィング能力があるか無いかで希望の仕事をゲットできるかどうかが決まるという。そし
て最も大切なスキルは本人の学歴ではなく、学歴の高い人やその分野に秀でた人との交流がど
のくらいあるかがポイントだという。
実際この話は三女だけではなく、長女からもよく聞いていた。彼女はファッション業界で働い
ているが、転職は5回ほどしている。どの転職も、先に辞めた上司から「実は僕今この会社で
働いているんだけど、PR部門のトップが変わりそうだから君を推薦してあげるよ」というよう
な引き合い。5回の転職はほとんどがこのパターンで彼女の営業用インスタには人脈を繋いで
いくための仕掛け?があるらしい。
アメリカの有名大学に海外からの留学生はたくさんいる。トランプ大統領がその一部を追い出
してもまだまだいる。ただ昔と今では学校にくる目的が違う。以前は学歴、今は人脈である。
卒業生が作るメンバー性のクラブハウスは、大学より人脈形成に有効かつ有益であり、卒業生
が昔を偲んで飲んだり食ったりするようなロマンチックな場所ではなくなっている。
さて、この人脈作りに欠かせないのが、英語コミュニケーション能力である。その昔英語が話
せるというのは、外国人と会話ができることをを一つの目標としていたが、これは20年前のお
話しで、2025年現在、人と交流でき、人から興味を持ってもらい、自分を高く評価しても
らうことができ、如何に信頼度を勝ち得るかが、これからの未来に必要なスキルである。実際
海外の学校を訪問するたびに、5歳ぐらいになるとディベートクラスや、自分の好きなサブジ
ェクトをアピールする発表会、面白いのは小学校のクラスでは、それぞれのチームがプロジェ
クトを達成するために、他のグループからメンバーを借りてくるというゲームもある。ここに
はコミュニケーション能力ばかりか、交渉能力も必要となる。こんなゲームを子供の頃からや
っている外国の子供達を見るにつけ、日本の子供達に” 頑張れ”と叫びたくなる。
英語のコミュニケーション能力は毎日の生活の中で育まれなければならない。週に1回の英会
話塾では10年かかっても完成しないかもしれない。そもそも塾では、ニュアンスを理解しな
がらの英会話は教えていないところが多いので、立体的な会話を育成できない。

2歳児から英語を聞く耳を育て、そのうち英語が口から出るようになる。先生の真似をして、
センテンスも言えるようになる。3歳になると外国人の先生が人との会話の中で、どのタイミ
ングで相槌を打ち、その意見に賛成な時はどんな単語を入れていくかわかるようになる。4歳
になる少し自分の意見が言えるようになる、5歳になると会話のTPOがわかるようになる。子
供時代にこれらの訓練を受けていると、人と話すときのコミュニケーション力は本物になる。
面白い現象を話す。私の長女はフランス語を、三女はスペイン語を話す。2人ともビジネスレ
ベルの会話ができる。しかしフランス語科やスペイン語科で学んだわけでもなく、幼いときに
私が預けていた先がフランス人とスペイン人の友人だっただけである。この友人達はニューヨ
ークに暮らしながらも、ひたすら自国語を話し続けてくれた。5人の子育てともなると、2人ぐ
らいはどこかのお家でご飯を食べていたり、一緒に遊んでくれていたりと、生活の中での実践
語学幼児体験とでもいうような環境で育った。なので自然にそれぞれの言葉に興味を持ち、独
学するようになった。
時はAIの支配下になりつつある。しかし人間同士のコミュニケーションが作る、微妙な関係は
まだまだAIには作れない。三女が9回目の面接を終わり、オファーが来た時に、どのポイントで
採用になったかを知りたいと上司に直接尋ねたという。上司は「君の人間性には、クライアン
トを増やせそうなコミュニケーション能力を感じる」との答えだったとか。とりあえずAIには
勝てたようである。

PAGE TOPへ