Netflixを見て考えさせられること
夜、1日が終わってホッとすると、なぜかNetflixで明日のエネルギーをもらえるものを探し始める。一日中英語を使っていると、せめて夜は日本語だけの世界がいいと。
英語、特にトークショーなどは全く選択肢にはなかったのだが、今は世界の若いコメディアンやインフルエンサーなどが繰り広げる、エネルギッシュで少しシニカル(皮肉っぽい)なトークに釘付けになる。内容は様々だが、世界の各地で起こっている戦争のこと、人種問題、移民問題、若者の政治意識、世界の旅、男女平等問題、教育、経済、政治とあらゆるテーマを題材にしている。驚くのは、こんなテーマを普通に政治家が話したら、5分も経たないうちに退席者が出るのに、トークショーのスターたちは、観客を爆笑の渦に巻き込み拍手の渦、1時間ほどのショーが終わった後、もっと聞きたいという気持ちを観客に残している。
さて、ここで考えたいのが、こんなショーの言語となっている「英語」である。言語の90%は英語である。またそれを聞く観客も理解の差はあるとしても、英語を理解できる人たちだ。そこで考えたのは、このショーを見に来ている日本人ははたしているだろうか、Netflixでこの番組を選択する日本人はいるだろうか、仮にいたとして、どのくらいジョークやシニカルな単語を理解して、笑いに還元できる日本人がいるのだろうかと考えてしまった。多分、ショーでの英語を完全に理解できるようになるには、英語圏の国に2年以上は住まないと難しい。住んだとしても毎日外国人と話す時間を6時間以上持たないと難しい。
英語のジョークや比喩は学校では教えてくれない。いやでも人とお付き合いしないと自分のものにならない。もちろん英会話教室では教えてくれない。手っ取り早いのが毎日バーやカフェに通うことも一つだが、とにかくより多くの人たちの英語を聞き取り、自分の口から英語を発信し、解らないときは必ず説明を求めるという自己学習を続けなくてはならない。これを今日本人にやれと言っても無理な話である。しかしこのままの状態が続くと、日本人は益々世界の情報や流れをつかめないままに時がたってしまう。
日本のドラマや教育番組、ドキュメンタリーも感動を呼ぶものはたくさんある。しかしどちらかというと、内容がドメスティックである。日本の中で起きて、日本の中で解決できて、外国人には全く解らない世界である。これはこれでいいのかもしれないが、私は日本の若い人たちの1人でも多くが、このトークショーに何らかの形で参加でき、話を理解し、世界で起こっていることをポジティブに捉え、嫌なことはジョーダンで吹き飛ばしてしまえというような気持ちを持ってもらいたい。このショーには世界中から観客が来ている。チケットはすぐ完売になる。Netflixの視聴率も高い。ここに1人でも多くの日本人が参加し、世界と繋がっていける英語教育の必要性を改めて感じる。 ちなみにNeflixのメニューを開くといろいろな種類のトークショーがある。子育て中のパパ、キャリアと子育てを追いかけ疲れ果てた末にトークショーを始めたママ、人種問題、ジェンダー専門の男性トーカー、アメリカの大統領の真似がめちゃくちゃうまい政治問題専門のトーカーなど、ぜひ自分にあったトークショーを探し、この1年を振り返ってほしい。