ハワイ教育移住
近年ハワイ移住が増えているということをハワイ滞在中に知った。といっても農業ではなく「子供の教育」移住である。日本の大手IT企業の部長クラスであったA氏は周りの部下が英語に堪能というだけでグーグルやアマゾンなどのグローバル企業に破格値でヘッドハントされる現実を目の当たりにし、もし自分の子供に英語という武器がなかったら20年後の人生はかなり厳しいと考えた。英語を自分の言葉の一つにしておけば就職先は世界に広がるという理由で家族全員でのハワイ移住に踏み切った。マーケティング会社に勤めているB氏も2025年に世界で一番の長寿国になる日本だけにフォーカスしていてはマーケティング業界での成長はない。英語ができればマーケティング情報が50倍にも増えるという現実を真摯に捉えたいという理由で、3年間のリサーチの後家族での移住に踏み切った。もちろん移住を現実にする背景には経済的な基盤がないと不可能である。ハワイの物価はニューヨーク以上の全米トップ、不動産価格もローンを組めば金利は4%以上、おまけに教育環境の整った私立インターナショナルスクールを選べば年間300万円はかかる。しかし本気でこれら諸問題に向き合い、ある程度の期間をかけて準備をし、本気で移住を考える若いファミリーたちの選択は子供達の将来を見据えた現実的な選択であると思う。A氏が言うように、海外でビジネスを勉強し、自分の言葉で英語を操り仕事のできる日本人ビジネスマンはヘッドハンターたちの狙い目である。同時に日本語にも堪能で読み書き能力が備わっている日本人は世界中で仕事を見つけることができる。私は10年以上前から日本の社会は大きく変わるといい続けている。WEBが発達し世界中がネットワークで張り巡らされている昨今、日本語だけで世界の情報を掴もうとは冗談にも思わないでほしい。ニューヨークに住んでいる娘はSOHO(英語ではSOHOとは言わない)環境で仕事をしているグラフィックデザイナーだ。朝8:00からインドのムンバイとメキシコシティーで働く同僚とスカイプーミーティングをし、ミネアポリスにいる上司にスカイプで報告する。彼女の提案したデザインの図面は上海でラフが作られ、翌日にはニューヨークの本社で最終ミーティングとなる。このようなワークスタイルは娘に限ったことではなくどこでも日常茶飯事だ。ハワイ教育移住を選択できるファミリーはまだ一握りである。日本で海外に通用する教育を考えることが、日本に優秀な子供を育て、ひいては国を強くする力にもなる。早期幼児バイリンガル教育が日本で根付いていくには時間が必要だが、遅からず日本社会が必要とするのは間違いない。ランゲージ・ハウスの子供達がそのパイオニアになってくれることを望む。
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