幼児英語を考える。
あるママからこんな質問を受けた。ママ「1歳5ヶ月になる息子に英語をやらせようと思ってネットで英語教材を購入したんですけど。」私「で、どんな教材?」ママ「マシーンを押すとネイティブの発音が出てくるやつで、フォニックスは1歳ぐらいから始めた方がいいって聞いたんで。」私「誰が言ったの?」ママ「子育て雑誌に書いてあったので。」私「で、その機械はいくらしたの?」ママ「はい、5万円ほど」私「マジに!!」。また別の質問はこうだった。3歳児を持つママ「英語をやらせたいんですけど。どのくらいで話せるようになりますか?」私「本当に会話力を習得するには週3日ベースで1年かかると思います。」ママ「他の習い事のあるので週1がせいぜいです。」私「となると、本当に会話力を習得していくのは難しいかもしれません。英語に親しむのはできますが。」ママ「でも他の幼児英語学校に通っている友達はみんな週一で話せるんですけど。」私「どのくらい話せますか?」ママ「名前とか、歳とか。」私「そのくらいなら英語学校に行かなくても話せますよ。」 さて、本題に移る。日本の幼児英語教育はここ10年活発さを増している。街の英会話学校でもネイティブ講師、入会金無料などのキャッチフレーズで生徒集めが盛んに行われている。ランゲージ・ハウスでも英会話クラスを開催しているが、今年の始めから料金改定を行い、週1回のクラス料金の値上げを行った。ただし2回以上の受講は料金据え置きとした。理由は一人でも多くの子供たちが英語を話せるようになって欲しいということだ。日本の英語教育ほど開拓が進まない分野も世界的にめずらしい。日本から多くの視察団がフィンランドなどの英語教育先進国に、時には国費を使って出かけていっているが、こんなことを何十年も続けてこれといった成果がでないで終わっている。成果とは、どれくらい多くの子供たちに自由に英語を使える能力が育まれたかということである。本来国をあげて英語教育に取り組むべきところを、ああでもない、ここでもないとポイントのずれた話で何年も終わっている。たぶんこの状態はそう簡単には変わらない。なぜかというと島国日本にはいまだに英語を話せないとどうなるという危機感が存在しない。例えばであるが、今話題の尖閣諸島問題に、両国首脳同士が生の英語力で交渉することで、領土権を勝ち取るなんてことになって初めて英語教育への意識が高まるのが日本である。こんな悠長な現状につきあっていたら、子供たちが成長するころには、日本は恐ろしいほどに英語後進国になっていると本気で心配している。(つづく)
カテゴリ: お知らせ