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ILH代表黒部のブログ

黒部さん家の教育回顧録 転校

黒部さん家の教育回顧録 

アメリカの私立はおしなべて授業料がメチャメチャ高い。これは日本人の私だけではなく、アメリカ人全員が思っていることである。例えばニューヨークにあるコロンビア大学の学費は年間470万ほどかかる。ハーバード医学部などは700万以上もする。黒部家のように子供が5人もいるとニーズベースの奨学金制度(つまり子供が多いから教育費を捻出するのも大変というニーズから)があるが、殆どは国や州が貸し出す教育ローンにたよるしかない。実際私の子供達もニーズベースの奨学金プラス教育ローンで学費をまかなったので、いまだにその返済に追われている。
娘が大学に行っている頃、ある親が発起人となって授業料に関する学校側との公聴会を開いた。ある親はこう聞いてきた。「こんなに高い授業料を取るなら、せめてカフェテリアをもっと美味しくしてもらえないですか。娘はこの大学に入ってから寮の食事が不味くて文句ばかりです。親はこんなに高い授業料を払っていて娘に文句をいわれたんじゃやってられませんよ。」私はこの意見にまったく同感であった。
アメリカの私立学校の授業料が高い一番の理由は、施設及びスタッフなどもろもろにかかる保険料の高さだ。逆に先生達のサラリーは思いのほか低く、私立学校は公立より安月給なのには驚かされる。私立学校の先生になるには教育そのものに人生をかけるぐらいの勢いがないと勤まらない。
さて、国連学校のPeace and share教育に満足できずに、学校ハンティングを始めたのだが、流れはこんな感じである。まず希望校に電話をかける。転校したいと伝える。断られるところもあるが、日本人はマイノリティーの部類に入るので編入の可能性は高い。つまり各私立学校は有色人種を入学させなくてはいけないことになっていて、日本人もその枠に入る。条件は前の学校での成績がいいこと、面接で聞かれた事に対して的確に答えられる事である。そして親も。
長女は国連学校からマンハッタンの北部リバーデールという地区にあるHorace Man schoolへの転校プロジェクトを試みた。この学校は1887年にコロンビア大学の分校として創設され、現在ではハーバードにもっともおおくの生徒を送る全米高校の5位に入っている…というぐらいの受験校である。なぜこの学校を選んだかは簡単で、アイビーリーグに近い高校だったからだ。8大学からなるアイビーリーグは、ブラウン、コロンバイア、コーネル、ダートマス、ハーバード、プリンストン、ペンシルバニア、イエ−ルからなる東部有名校をさす。
私自身はアメリカの留学経験はもたないが、学生時代はプリンストン大学に本気で憧れ入りたいと思っていた。ホーレスマンはニューヨークの教育に超熱心なユダヤ人家庭の子弟が多く、また寄付金も中途半端ではないので、そのアカデミックなレベルのみならず施設も充実している。ただ殆どの生徒は同校付属の幼稚園から入ってくるので、各学年への編入は狭き門である。が、これを知ったのは娘の編入が決まってからで、それまでは無知の怖い門知らず、規定をクリアーすればだれでも入れると思っていた。試験はニューヨーク市で行われる共通一次のような試験で規定の成績をとることと面接である。この面接は個別ではなく、クラスに参加する形で行われる。
結果はというと補欠だった。(つづく)

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