黒部さん家の教育回顧録
黒部さん家の教育回顧録
アメリカでは転校が日常茶飯事に行われる。理由は非常に明確で、コストパフォーマンスが良くない学校から、パフォーマンスの良い学校に変わるということである。私立の授業料が法外なので、どの親も授業料に見合わないパフォーマンスの学校にお金は払えませんというスタンスなのだ。
国連学校は他の私立に比べると若干授業料は安めだったが、ある時日本人の友人がこう言った。「学校は一生に小学校を何度も繰り返すことはできないのだから、良い学校に入れないと時間もお金も損したような気持ちになるの。」この友人は息子の友達のママで、彼女自身もコロンビア大学を出て、野村総研ニューヨーク支社で働くバリバリのキャリアウーマンだった。息子と彼女の娘は同じ幼稚園に通っていたが、小学校から別々になった。私の息子はというと、勉強のほうはさほどでもないが、運動に強い少人数制の男子校に通っていた。しかし彼女から学校での授業内容を聞くたびに、確かに良い学校と言われるところは先生のサポートからして違うとはうすうす感じていた。日本にも一流、二流というのがあるが、アメリカはもっとはっきりしている。一流と言われる学校には、給料が安くても良い教師が集まると言われている。同じ時間を学校で過ごすのなら良質な教師のいる学校のほうがいいに決まっている。とたどり着いた結論はこうだった。そのころ長女は高学年になろうとしていた。本人は国連学校を楽しんでいたが、あまりこだわってもいなかったようなので、ちょっと力試しに他の学校を受けてみないと切り出した。
ホーレスマンへは学校での成績表と、担任からのリファレンス、そして筆記試験があった。この学校は幼稚園から狭き門で、50倍の競争率と言われている。特にユダヤ系のファミリーが多く、高校卒業後はハーバード大学やイエールなどのアイビーリーグにほとんどが進学する。そのせいなのかどうかはわからないが、この学校はユダヤ人が多いことでも有名である。(つづく)
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