• お問合せ
  • facebook
  • twitter
  • youtube
  • entry
ILH代表黒部のブログ

西葛西で見たバイリンガルの世界

先週の土曜日、インド人が多く住む西葛西でイベントがあった。ドルガプージャというインド
の女の神様のお祭りで、会場には驚くほど多くのインド人が詰めかけ、まるでインドにいるよ
うだった。私たちはスパイス侍というボリウッドダンスチームで出演した。西葛西のインド人
コミュニティーでは、日本でいう町内会みたいなものがあり、同じ日に幾つかのインドイベン
トが開催されるのだが、どれもこれもパワフルかつエネルギーレベルがすごい。特に子供達を
積極的に舞台に立たせ、上手くても下手でもいいから、人前でパフォーマンスをすることに
インドの親たちは積極的である。中には舞台に上がった途端、歌の歌詞が頭から消えてしまい
棒立ちになっている少年がいて、舞台の横から「なんでもいいから歌うのよ!」と親の方が
一生懸命だったり、ダンスのはずが緊張して棒立ちになった子どもに、ステージの袖で親が踊
り始めたりと、インド人の親心というか、熱い思いが伝わってきた。
このお祭りには、西葛西にあるインド系インターナショナルスクールの子供達が多く参加して
いた。私は子供達とランチをしている親たちと話したくなり、バイリンガル教育について聞い
てみた。各学校では英語を基本言語として学習をしているが、日本語とヒンディー、あるいは
インドにある別の言語、例えば南の言語であるタミル語なども含め、3種類ほどの言語がなん
らかの形で学習されているか、あるいは日常の中で使われているという。実際西葛西の商店街
を歩いていると、インド人の子供達から日本語が聞こえてきたり、次の瞬間、親とはヒンディ
ーらしきインド語で話している。彼らのとってバイリンガルはが特別なものではなく、生活の
中で自然発生するものとしてあるのではないかと思ってしまう。ここではあえてバイリンガル
教育などという言葉は存在しないのかもしれない。
親たちと話した後、三人の若者がランチをしていたので同席させてもらった。ITエンジニアとし
て1年半前に日本に来たという。彼らも完璧ではないが、私とコミュニケーションをとるに困
らない日本語を話していた。もちろん英語はネイティブである。インドが教育の公用語を英語
にしてからインド経済は変わったというが、日本の西葛西という地域で、インド人は3カ国語
を話し、同じ地区に住む日本人は未だ日本語だけしか話せないとしたら、これは大きな問題で
ある。毎年インド人のお祭りに参加しているが、インド人人口は間違いなく増えている。また
子供達の数も半端なく増えている。お祭りにはそれぞれに民族衣装を纏い、食べ物やからアク
セサリー売り、時には占い師まで店を出す。西葛西は紛れもなくインドである。
日本も大きく有名な祭りはたくさんある。しかし何々町内会の規模で行われる祭りは、子供が
不足していて、神輿の山車を引くことができないところが続出している。インドのお祭りに参
加しながら、日本の将来を心配してしまうのだが、バイリンガル教育がもっと日常的になる街
づくりも必要なのかもしれない。

PAGE TOPへ