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ILH代表黒部のブログ

コロナが与えてくれたもの




こんな書き方をすると誤解を招きそうだが、少し考え方を変えて社会の現状を見てみると、コロナによって町があるべき姿になったと思える部分もある。その一番は公園に子供たちが戻ってきたことだ。学校が閉鎖せれているので当然といえばそれまでだが、公園で無邪気に遊ぶ子供たちの顔を見ていると自由で屈託がない。プラス親たちも三々五々公園にきては子供たちと遊んできる。私は他人の話を盗み聞きする悪い癖がある。特に公園や電車の中で聞く会話は興味深い。最近公園での会話はまさにコロナがもたらした友達作りとも思える。2人の子育て中のママの会話。幼稚園が休園になったのだがお友達が皆遠くに住んでいてママ友とも会えない。仕方なく近所の公園に毎日やってくるのだそうだ。子供は友達がいなくても無邪気に遊んでいるが、ママは一日誰とも会話をすることもなくストレスが溜まっていたところ、公園で同じ問題を抱えるママに出会った。2人は意気投合して毎日公園出会い、子育ての毎日に張り合いができたと言うような会話だった。2人とも通常は会社勤めだと話していた。もう一つの変化はパパママストアーが平常よりもお客さんが集まっていると感じている。実際に人数を把握しているわけではないが今までよりはお客が多い。そして店員さんとお客さんの会話が聞こえる。いつもはスーパーマーケットだけを利用するお客さんも、路面店で空気がよく通り、外から店内が見えるところで買い物をしたいと思うのかもしれない。レストランもよく観察すると路面店には人影が多い。余談だが私が以前働いていた企業がビルディングメインテナンスをしていた。その中の重要業務がダクトクリーニングによる空気清浄作業だった。この企業では世界中のダクトクリーニング、空気清浄システムをリサーチしていた。私も世界的に有名な学者たちと話す機会があったが、スマートビルディングと呼ばれる窓の開かないビルより、昔ながらの窓全開のビルの安全性が数段高いこと皆が口を揃えて言っていた。病院での院内感染の比率も窓を開けられる施設の方が低く、院内感染とダクトクリーニングは非常に密接に関係にあるとしている。コロナにしても室内空気清浄機に頼るよりは窓の開閉を頻繁に行う方が空気の新鮮度は高いのではないだろうか。

人間は高慢である。これでもかこれでもかと欲を追いかける。今回のコロナで中国が目の敵にされているが、資本主義諸国が市場原理に基づき生産拠点を人件費の安い中国に移し、中国も外国資本を引き入れるためになりふり構わずイケイケドンドンを何年もやってきた。どれもこれも欲の追求である。イタリアが大変なことになっているのも、北部はガーメント産業が盛んで、多くの中国人を受け入れてきた。なぜならMade in Italyのタグを維持しながら安く商品を作り、高くさばいて儲けるためにはイタリアで人件費の安い中国人を雇い入れ製品を作らせていた。この中国人達が春節で中国に帰り戻ってきてから2週間、まさにコロナが大ブレークを始めた。フランスにしてもどのくらいの中国人がブランドを支えているかわからない。どれもこれも自分たちの欲が膨らみに膨らみ爆発した結果である。

今一度私たちは幸せの本質を考えるべきである。先日ランゲージハウスに通っていた子供(言ってもすでに大学生になっている)の父親に会った。黒部さん家族の写真見てくださいと言うので見せてもらった。なんと幸せな顔をした家族なんだろうと驚いた。父親は当時から変わらぬ会社で淡々と働き、母親は専業主婦、息子3人は高校生と大学生、親子で串カツをほう張っている写真だったが

幸せに満ちていた。「僕はこれ以上を望まない。」と言う父親の一言がしばらく耳に残っていた。

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