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ILH代表黒部のブログ

アメリカの保育園事情

7月始、コロラド州デンバーにある保育園を視察した。民間で運営されている0?12歳までの総合保育、教育施設CRAYON ACADEMYは2006年に開校した比較的新しい機関である。但し小学校を併設しているわけではなく、日本と同じ学童保育を行っている。ただし民間だけあって月謝は高く月々¥75,000になります。0歳児さんになるともっと高くなり月々¥100,000、保育時間も朝7:00から夕方5:30までと日本より短い。

訪問した施設には各クラス8名ほどの園児が自由に遊んだり、保育士とのプロジェクトに参加している。保育士は日本のようにエプロン姿ではなく、自由な服装で、給食担当者以外はビーチに行くようなラフな格好で園児と接している。給食はすべてケイタリングサービスから送られているものを小分けにするだけの簡単なもの、おせいじにも美味しいそうとは言えないが、園児達は美味しそうな顔をして食べるので、この子たちの将来の味覚がどう発達するのか心配になる。

日本にも多いアレルギーを持つ子供はアメリカにも多い。どの育児施設でもアレルギーを持つ園児にはEpi-Penと言われる洋服の上から処方できる太い注射器とBENADRYという非アレルギー抗体薬を持つことが義務付けられている。Epi-Penは私も子供に使ったことがあるが、即効性はかなりある。但し医師の処方が必要である。

アメリカの保育園で一番感じることは、子供達は「遊び」にこの園に来ているという姿が、保育士と園児の間にストレスフリーな関係を作っているような気がする。何々をしなさい、やりましょう、ではなく、「やってみない、おもしろいよ」的なアプローチ、時には保育士1人が遊びに入って園児達はそれを見ていることもあるが、それでもやれやれとはけして強制しない。やり始めて面白ければ「はい、終わりですよ」とは言わずに、「終わったら教えてね」とあきるまでやらせておく。お昼寝時間も無理に寝たくない子は保育士と一緒に午後のクラスの準備を手伝ったりしている。なんともアットホームな環境がコロラドの自然とマッチしている。

園長先生の話では、アメリカの経済が低迷しているせいか、保育園どころか、小学校にも子供を通わせられない親が多くなったという。市の教育担当官が家庭訪問に行くと、一過丸ごと夜逃げというのも頻繁らしい。この施設にも一部低所得家庭の子供達がいるというが、子供達の顔はあくまでも明るく、おおらかだった。日本では幼稚園から登校拒否があるというが、あまり満たされていると親や社会への感謝の気持ちさえ育たなくなる。口では感謝しなさい、感謝しましょうと言ってみても、子供は自分の体で有りがたさを感じない限りこの気持ちは育っていかないと確信する。

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