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ILH代表黒部のブログ

ムンバイ打便り 2

ムンバイがインド最大の都市だということは前回話したが、ニューヨークや東京とは違うダイナミズムがある。その中心が「人」いったいどこからこんなに人が出てくるのかと思うほど、朝からてんやわんやしている。車やオートリキシャは無秩序に走りまくっているが、人々はその間をまるで泳ぐように行き交っている。ママとキッズも平気で車と車の間を歩き抜けてゆく。学校、特に私立の学校のお迎え時間には、校門の前にすごい人だかりができ、完全に道路の一部を封鎖してしまっているが、交通整理のおまわりさんは、車に迂回させている。道路の真ん中でママ同士が立ち話していても、車がよけていく。限りなく無秩序に近いインドの交通秩序だと理解した。
 教育の話にもどる。インドの都市部での教育は英語でなされている。農村部ではそれぞれの州の公用語が使われているが、デリー、ムンバイ、チェンナイといった都市の子供たちは英語を話す。インド英語はアクセントが強く、インド映画を見た後は気をつけないと発音がインド英語になってしまうほど影響力が強い。ところが今このインド英語がビジネスでは強いらしく、押しの強い交渉が必要なときにはインド英語に変わるといった笑い話もあるほどだ。子供たちにとってアジア人、特に日本人はめずらしく、英語で話しかけてくる。このような光景、日本も終戦直後にはあったようだが、今は知らない人に声をかけると連れて行かれますよというママの心配のほうが優先してか、日本の子供が自ら外国人に声をかけるのはまずといっていいほど無くなってしまった。そのせいかどうか、日本の子供はMy name is…, I am 4 years old…までは言えても、その後が続かない。これは3年英語塾に通っていても先生から質問されない限りは会話が進まない状態になっている。いかに日本の幼児英語では先生主導の学習がおこなわれているかの結果である。インドの子供たちは逆に人を質問攻めにする。Japan? where? City? do you like this? What is this? I want this…3、4歳の子供たちが口々に質問してくる光景にこの国のエネルギーが長い将来続くような気がしてくる。ほかでもない、彼らは自分の考えで、自分の言葉を話しているからだ。  つづく

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