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ILH代表黒部のブログ

英語の効用

先週久しぶりに大学の先輩がランゲージに遊びに来た。一人は国際機関で働き、もう一人はメーカーの海外事業部長として働いている。本来なら定年間近というところだが、語学力を武器に会社では重宝がられ、いまだに現役で頑張っている。
我々の学んだ外国語学部英語課というところはおもしろいところで、クラスが男女に分かれていた。理由は女性のほうが勉強熱心で活発、男子が萎縮してしまうとかだったが真相のほどは確かではない。ただ早慶に比べると上智の男子は昼行灯で、自己アピールに欠けると週刊誌には書かれてた。理由の一つには女子クラスの半分は帰国子女、他は私立お嬢さん女子校出身者、いわゆる女子のエスタブリッシュメントみたいな人たちの集まりで、まじめで優秀。私のような都立高校出身者でいきなり外国人神父の教える英語オンリーのクラスにうろたえるのはクラスで二人だけだった。男子はというと地方有名高校からの推薦入学が多く、後は浪人者。全体的に地味で昼行灯といわれても仕方ない。でもその昼行灯達が社会に出ると思いのほか活躍している。彼らの武器は語学なのだ。海外事業部長の仕事は、海外支店でいい加減な仕事をしてる外国人に喝を与える事らしが、現場を取り押さえて客観的に業務を評価、そして注意を与えていくにはそうとうの語学力と人間力が必要だ。国際機関の方は、相手が中国で想像を絶する人間との取引。中国人は好きだが中国は嫌いと言い切る。中国語、英語と二つの刀を武器にしないと戦えない相手だという。最近は敵もさるもの、日本語を話せる中国人が多く、それを切り返すには英語で対応するのだという。この二人の先輩以外にも、年に一度宴会を開く仲間は、北海で採掘している男、宇宙航空の未来を営業している男、大手自動車メーカーの常務など、学生時代の地味さとはかけ離れた派手な活躍をしている。どの先輩にも共通していえるのは、世界と戦える語学力を持っていることだ。もちろん大学時代に学んだ英語力がすべてではないが、地味な中にも着々と実力を蓄えていくことを知っている男達が多かった。逆に女子の方は一流商社に就職した人たちは沢山いるが、一般職なので、結局結婚を境に退職、キャリアから身を引いてしまう人たちが多い。同時に英語からも遠ざかる事になり、元帰国子女で英語を当時のまま維持している人はわずかである。
先輩の多くはバブルを経験し、いやな思いもしている。が、そこに語学があったのでかろうじてバブル崩壊から身を守れ
現在の地位を築いている。
「うちの実家は広島でテイラーをしてるけど、この仕事はすでに過去のもの。大手紳士服屋に勝ち目は無く、もし今も広島に残っていたらと思うと、高校生のときに頑張って留学したのが幸いだった。外国にあこがれ、英語にあこがれ、それが飯の種になった。」と一人の先輩は言う。さて、今の若者達がどれくらい英語に憧れられるかは、どれくらい英語が好きになれるかにかかっているかとも思うのだが。これは学校だけの英語ではとても補えないものと心配している。

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