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ILH代表黒部のブログ

黒部さん家の教育回顧録

黒部さん家の教育回顧録
前回のお話は、ニューヨークでフランス人の友人ができたこと。ある事件をきっかけに仲良しになったことを話した。今回はその事件がなんだったかをお話する。
公共スイミングプールはマンハッタンのど真ん中にあった。が、泥棒はどこでも出現する。公共プールの更衣室にはロッカーがある。が、鍵がない。ので鍵を持参するのだが、こんなものを開けるのはプロの泥棒なら朝飯前である。ただ被害にあったのは主人たちの方で、ビビアンのご主人は腕時計を取られてしまった。しかしこんな被害にあいながらもデニスと私の主人が大声で笑いながら更衣室から出てきた。なぜかというと、更衣室にはもう一人の男性がいて、彼は下着から何から着るものを全部取られたとかで、まだ更衣室で震えているという。なんで助けないのか?とも思ったが、映画のようなことが当たり前に起こるのがニューヨークで、それを楽しむのがニューヨーカーらしい。私たちは映画でも見に行った帰り道のような気分になり、夕食を共にした。これが気かっけになって私たち夫婦は急速に接近した。その夏には彼らの実家に招待され、イル・ド・フランス(フランスの田舎)を満喫した。
話を教育事情に戻す。ビビアンと私たちが通っていた英会話学校のことは前回話したが、ビビアンも私もお喋りで、好奇心旺盛なのが会話上達につながったかと思っている。また友達もよく作くり、お互いの友達を紹介しあった。海外で英語を学ぶ最大のキーはいかに外国人と親しくなるかである。どうやったら親しくなれるのかは、第一に向こうから声をかけてくれると思わないことである。自ら声をかけない限り道は開けないとはこのことである。私には苦い経験がある。ニューヨークで生活を始めて間もなく、主人の上司であるイギリス人の家に招待された。20人ほどがワイワイと飲みながら話をしている。私はというと全く怖気付いてしまい壁の花になりきっていた。イギリス人はおつまみというものに興味がないのか、食事を待つこと2時間あまり、ピーナツだけでしのぐとなると、誰とも話さずにいるのは地獄の沙汰である。この経験を気かっけに、いかにしたら外国人の会話に切り込んでいけるかが私の課題となった。簡単なことだが、”Hello!”という勇気がものをいう。あとはこの外国人と英会話の練習をしていると思えば、多少へんてこりんなセンテンスが出ても気にならないというわけである。日本人は外国人と話す時にメンツを気にする人が多いようだが、相手を対等と思わず無料英会話の教師と思えばどうってことないのだが。
ところでビビアンと黒部家の教育事情と何が関係しているの?という質問が出てきそうであるが、幼児期の外国人との異言語接近がいかに子供の将来に影響を受けるかである。その代表例が長女だった。ビビアンと出会っていなかったらソルボンヌ大学に留学することはなかったと思っている。(つづく)

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